第1話 やってきた転入生編

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(Side:???) 今日はなんと幸せな日なのだろう。 入学式で役員の皆様を一斉に拝めただけではなく、こんなところでもお姿を見れるだなんて。 リーン、リーンと鳴った甲高い音に導かれるように、1階で昼食をとっていた生徒すべての視線が2階へと向いた。 そこにはなんと生徒会の皆様が…… 一気に食堂のボルテージが上がる。 隣にいる僕の友人も顔を染めて僕の背中を叩いている。 「「「「「キャー―――――!!」」」」」 悲鳴と共に様々なところから役員の方々の名前が飛び交う。 チャラ男会計なんて、笑顔で手を振っている。 「素敵~~~///」 「1日に2回拝見できるなんて///」 「幸せ~~~///」 「抱いてーーー!」 「抱きてぇ」 ガラス張り防音なため、聞こえないことをいいことに、言いたい放題だ。 僕得。 ニヤニヤが止まりませぬ。 特に会長! あの人、ノンケを公言しているにも関わらず、信者が多いからな。 しかも、ネコにもタチにも。 この学園には珍しい、ノンケだからこそ、燃える輩は多いようである。 親衛隊はそんな輩に睨みを効かせているのだが、一番注意をしなければならない人がその団体のトップだから、何とも言えない。 「皆さん、そんなに見ていたら役員の皆様も食べにくいですよ」 静かな声でその場を鎮めたのは、銀縁の眼鏡をグイッと押し上げたインテリなイケメン。
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