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(Side:瑠衣)
どうやら体育館に王様がバスケの応援に行ったらしい。
「袴姿が素敵だった~~」
だとか。
「副会長様の応援だよね~~」
だとか。
王様ともなれば噂はあちらこちらで聞こえてくる。
生徒会行事ではないこの大会を、王様も楽しんでいるのだろう。
同じ競技がよかったなぁ~~~
だなんて思ってみたり。
ま、最高のサービス精神から、我ら役員は各競技に分かれようと提案したのは自分なのだが。
王様の一言で我がクラスは昨年と同じ種目に。
そりゃ、バスケは燃えてるでしょうよ。
なにせ、連覇がかかってるんだから。
王様の剣道も今年は優勝だろう。
去年は決勝で3年に負けてるし。
今年は向かう所敵なしかな。
ってことで、きっとここには応援にはこないだろう。
期待するだけ無駄さ、少年達よ。
でもさ、王様。
だからって、バスケだけ応援に行くとか、不公平にも程があるよね。
そりゃ、不満もでるさ。
後で文句の一言や二言でも言ってやろう、と意気込んでいると、自分の試合の開始時間がやってきた。
王様率いる剣道、洸くん率いるバスケ。
そして、風紀委員長率いるサッカー。
この3種目が我がSクラスが目指す3冠の候補だ。
去年は入賞すらしなかったこの種目で、今年こそは優勝して、ギャフンと言わせよう!
それが俺らのモチベーション。
俺らが勝ったら、王様喜んでくれるかな?
『頑張ったな』
そう笑って言う王様を思い浮かべて。
いざ、勝負。
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