第3話 スポーツ大会編

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(Side:瑠衣) どうやら体育館に王様がバスケの応援に行ったらしい。 「袴姿が素敵だった~~」 だとか。 「副会長様の応援だよね~~」 だとか。 王様ともなれば噂はあちらこちらで聞こえてくる。 生徒会行事ではないこの大会を、王様も楽しんでいるのだろう。 同じ競技がよかったなぁ~~~ だなんて思ってみたり。 ま、最高のサービス精神から、我ら役員は各競技に分かれようと提案したのは自分なのだが。 王様の一言で我がクラスは昨年と同じ種目に。 そりゃ、バスケは燃えてるでしょうよ。 なにせ、連覇がかかってるんだから。 王様の剣道も今年は優勝だろう。 去年は決勝で3年に負けてるし。 今年は向かう所敵なしかな。 ってことで、きっとここには応援にはこないだろう。 期待するだけ無駄さ、少年達よ。 でもさ、王様。 だからって、バスケだけ応援に行くとか、不公平にも程があるよね。 そりゃ、不満もでるさ。 後で文句の一言や二言でも言ってやろう、と意気込んでいると、自分の試合の開始時間がやってきた。 王様率いる剣道、洸くん率いるバスケ。 そして、風紀委員長率いるサッカー。 この3種目が我がSクラスが目指す3冠の候補だ。 去年は入賞すらしなかったこの種目で、今年こそは優勝して、ギャフンと言わせよう! それが俺らのモチベーション。 俺らが勝ったら、王様喜んでくれるかな? 『頑張ったな』 そう笑って言う王様を思い浮かべて。 いざ、勝負。
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