第3話 スポーツ大会編

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スポーツ大会も佳境へと突入し、我ら3Sは、当初の予定通り、バスケ、サッカー、剣道で決勝に残った。 瑠衣率いるテニスは準決勝で惜しくも敗れた。 「王様の応援がないからだよ〜〜〜〜」 だなんて言っていたが、自分の試合があるんだから無理だろ。 我ら剣道は、他の競技よりも時間がかからないため、すぐに終わった。 結果はもちろん3Sの優勝。 去年の準優勝は伊達じゃない。 「こんなに強いのに剣道やらないの、勿体ないっすよ」 決勝の相手である2年の剣道部くんに言われたが、別に競技としてやる程でもない。 実は初めて剣道に参加した去年の時点ですでに誘いは受けていたのだが、断っているのである。 「俺に勝っといて良く言いますよ」 負けたことが随分と悔しかったらしい。 「今度また手合わせして下さい」 気が向いたらね。 そう言って笑顔で手を振り、俺はその場を去った。 もちろん、我がクラスの応援に行くためだ。 バスケの相手は柊二率いる1Sらしい。 随分と頼もしい1年がいるらしく、バスケ部も安泰だな。 柊二も活躍していると報告を受けている。 どうせならバスケ部入れば良いのに。 ま、俺が言えたことでもないか。 そんなバスケの決勝を見たい気持ちもあるが、そちらは応援済みなため、足の向かう先はグラウンド。 表彰式があるため袴はまだ脱げない。 流石に日の照っている外は暑い。 袴をパタパタしつつも、視線はサッカーボールを追う。 周りで唾を飲む音とか聞こえない、うん。 みんな、試合に集中しよう? 「お前ね、それ辞めた方がいいぞ」 委員長よ、お前まで…… 「ほら」 「…ン」 そう言って渡された冷たい飲み物を首の後ろに当てる。 そうこうしているうちに歓声が聞こえてきた。 ゴールしたらしい。 喜んでるのは我らが3S。 囲まれてるのは大堂。 ほんの一瞬、そんな大堂と目があった気がする。 きっと勘違いだ、うん。
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