第3話 スポーツ大会編

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(Side:生徒A) なんたる幸せ! きっと誰もがそう思っているのだろう。 主催が生徒会ではないこの行事で、役員の方々が前に出る機会などそうそうない。 しかし。 今回は違った。 「それでは、各種目の優勝クラスは代表1名壇上へお上りください」 司会の生徒がそう言えば、少しの騒めきの後、大歓声が体育館に響いた。 左から、副会長、会長、風紀委員長。 結果は知っていたものの。 まさかこの表彰に彼らが揃うとは誰も思わないだろう。 隣に並んでいる他の競技の優勝クラスが霞んでしまい可哀想だ。 そのまま美味しい展開にならないかな〜〜 なんて考えていると、ブルッとポケットにしまっておいたスマホが震えた。 この短さはLI●Eか。 なんだ、一瞬たりとも目を離せないというこの忙しい時に。 後にしようと壇上に注目していれば、またスマホが震えた。 しかも1度や2度じゃない。 連続して数回はただ事じゃない、かな? そう思い、チラッと覗いたスマホに表示される名前に、何事かと中を確認する。 『なんたる幸せ!』 『みんなの注目は壇上』 『だがしかし』 『近場に発見』 短文なのは、こちらに気づかせるためか。 はたまた、バレないためか。 そのどちらもだとは思うが。 何を発見したのかとスクロールしていけば、そこには画像が1枚。 角度的には盗撮だけど。 画像の後にも文は続く。 『嫉妬心MAX』 『会長様尊い』 そこに写るのは、無表情…… いや、嫉妬丸出しで壇上を見つめる転入生。 腐レンドよ、GOOD JOB! 壇上での絡みを期待するよりも良いものが観れたかもしれない。 口元をニヤつかせながら、壇上へ視線を戻した。
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