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プロローグ
舞い散る白い羽根。
「ラビエルを追放せよ!」
羽根に無数の手が伸びる。もがくほどにむしり取られ舞い上がる。
「追放せよ! 消滅させよ!」
何故、追われる。人を愛した、ただそれだけで。
「お逃げ下さい、ラビエル様!」
守護天使に促され、辿り着いた先は、神々しい光の届かない、蝙蝠が住み着く暗い闇の中に建つ館。
「いつか、お戻りになられます。それまで此処で、どうかご辛抱下さい」
「すまない、ありがとう」
だが、どれほどその時を待ち焦がれても『いつか』はやっては来ない。
いつの間にか、白い羽根は全てが黒く色を変え、翼は大きく背中を覆った。神は俺を許さなかった。
堕天使__
人を愛し、平静を好んだ。天使達に空を、星を教え続けてきた。人間の魂を天に導くのが、役割だった。
孤独に苛まされた。苦しい、苦しい。光の元へ行きたい。
「お前はもう、戻れない」
冥王ハデスの声が響き渡る。百年余りの時を経た。時間は残されていなかったのだ。
俺は悪魔に生まれ変わった。
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