プロローグ

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「そうとばかりも言えないようだが……。ともかく命令だ。やるしかないさ」  パレ・ロワイヤルの中庭に出ると、冷たい風が冬枯れの木々を寒々しく揺らしていた。どんよりとした灰色の空を見上げ、ユーグはうんざりと嘆息を洩らした。  新王即位から四か月、パリの街は今宵もまた華やかな享楽の夜を迎えようとしていた──。
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