水不足に苦しむ村

2/5
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 昔、ある村が水不足で困っていました。もう三か月も雨が降らないからです。  太陽の強い日差し(ひざし)で川の水はなくなり、田んぼも畑も枯れてしまいました。 みんな、お腹をすかせています。  そこへ、あるお坊さんが通りかかりました。  この暑い中、元気いっぱいで、不思議(ふしぎ)な力を持っているようにみえます。  村長たち村人は、このお坊さんに救いを求めました。  「お坊さん、どうかこの村をお救いください。雨が降るように御祈祷(ごきとう)してください。 お金ならなんとかします。お願いします。」  「お願いしますだ。」  お坊さんは、さわやかな笑顔でこう答えました。  「困っている人々を救うのは、御仏(みほとけ)につかえる者としてあたりまえのこと。 お金などいりません。それより、みなさんの大事にしている物を龍(りゅう)王(おう)様に 奉げれば、願いをきいてくれるでしょう。」  村長は村人と話し合い、お寺の鐘(かね)をささげることに決めたのです。   
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!