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昔、ある村が水不足で困っていました。もう三か月も雨が降らないからです。
太陽の強い日差し(ひざし)で川の水はなくなり、田んぼも畑も枯れてしまいました。
みんな、お腹をすかせています。
そこへ、あるお坊さんが通りかかりました。
この暑い中、元気いっぱいで、不思議(ふしぎ)な力を持っているようにみえます。
村長たち村人は、このお坊さんに救いを求めました。
「お坊さん、どうかこの村をお救いください。雨が降るように御祈祷(ごきとう)してください。
お金ならなんとかします。お願いします。」
「お願いしますだ。」
お坊さんは、さわやかな笑顔でこう答えました。
「困っている人々を救うのは、御仏(みほとけ)につかえる者としてあたりまえのこと。
お金などいりません。それより、みなさんの大事にしている物を龍(りゅう)王(おう)様に
奉げれば、願いをきいてくれるでしょう。」
村長は村人と話し合い、お寺の鐘(かね)をささげることに決めたのです。
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