水不足に苦しむ村

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  お坊さんは、さっそく村のお寺にこもりました。  「のうまく さまんだ ぼだなん めい ぎゃしゃに えい そわか」  両手で九頭(くず)龍印(りゅういん)を結び、龍王に雨を降らせてくれるよう祈りました。  汗が滝のように流れ落ちる必死の祈りが龍王に通じたのか、三日目に川の上流の滝が ある山から雲がモクモクと立ち上り、雨が降ったのです。  村長たち村人は、大喜びです。子供たちはドシャブリの雨の中を走りまわりました。  さて、雨がやんだ次の日、お坊さんは村長たち村人に告げました。  「では、約束通り、お寺の鐘を龍王様にささげましょう。この村の川の上流にある滝まで 運んでください。」  ところが、村長たち村人はお寺の鐘をささげるのがおしくなりました。新しいお寺の鐘を つくるには、またお金が必要だからです。  
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