デートは武道館で(転の章の始まり)

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「怪しい。」「私も、そう思う。」  今日は、キラちゃんと柔道部の関東地区大会、団体戦の最終日の試合を都立武道館まで見に来ていた。  僕の祖父が特別顧問として指導している柔道部が順当に準決勝まで 勝ち進んだので、祖父に代わりに見てくるように言いつけられたからだ。  折角の日曜日の午後なのに、自分は野暮用だからって酷くない。  きっと、奏絵さんとデートだよ。正直に言えば良いのにね。 「これも良い勉強、修行と思って。」  まあ、キラちゃんがそう言ってくれたから、いいようなものの、普通の女の子は、まずデートに柔道の試合見学を120%選ばない。  確かに、柔術と柔道は共通点も多い。僕たちの柔術は主に型稽古で 試合がないので、その点も勉強になる。  
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