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六年ぶりの大会優勝を狙う我が国善高校と初優勝を狙う一木山高校は、両者お互い譲らず、関東大会史上、最高、いや最悪、最凶の決勝戦となった。
国善高校が「柔よく剛を制す」ならば、一木山高校は「剛よく柔を断つ」だった。
僕が言うのは何だけど、流石、御祖父さんのシゴキ、いや特訓を受けているだけのことはある。じゃなかったら、帝国館高校と同様に瞬殺されている。
それにしても、一木山高校の柔道部員はいくら完全に締め技が決まってもおちないし、いくら完璧に関節技が極まっても絶対にまいったをしない。力任せに片手で相手の体を引きはがす。
やっぱり、怪しい。
ゴギッ
一勝一敗一引き分けで迎えた副将戦で、我が国善高校の柔道部員の腕十字が完璧に極まったが、相手はまいったをしない。
ついに鈍い音がしたが、相手は全く苦痛を感じていない様子だ。
痛みを我慢するならそれなりの体の変化や表情に現れるが、まったく変化なし。審判も非常に困っている。
僕は、ドーピングのチェックをしたかと心配する。
結局、時間切れで、これも引き分けとなった。
一勝一敗二引き分け、有効、技あり、一本もすべて同じ。
大将戦へともつれ込んだ。
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