1人が本棚に入れています
本棚に追加
「しつこい。」
陳 桃陽は、剄の効いた蹴りを男の大事な急所にぶち込んだ。
「ソレハ アカンヤロ・・・」
鬼はたまらず悶絶する。
「五月蠅い。」
陳 桃陽は、お札を額に張り付けた。
最後の鬼は完全に動きを止めたが、不思議なことに人間体に戻らない。
「ここかっ。」
太極拳の必殺技、双風貫耳のように、両手でコメカミを挟み込むように打つ。
グエエエ~
悶え苦しみながら、口から何かを吐き出すではないか。
見たこともない気味の悪い大きな寄生虫・・・・・。
やっと、元の人間体へと変化する。
「もらいっと。」
あろうことか、陳 桃陽は、その寄生虫をひょいと掴み、自分の口に中に放り込んで、モグモグ食べている。
横で見ていた僕は完全にひいた。絶対に、こいつとはキスをしないと心に固く誓った。
二階で見ていたキラちゃんは気分が悪くなったが、当の本人はそんなの200%気にしていない。
「これ、意外と美味しいし、力も気もつくよ。今度、おまえも喰ってみればいい。」
「遠慮しておきます。それより、救急車を。」
「そーだね。」
こうして、何とか無事に終わったが、これで終わりではなかった。
始まりだったんだな。
最初のコメントを投稿しよう!