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そして、最終ピリオド。
観客全員が立ち上がらんばかりの白熱した試合となった。
両者、お互いに譲らない。点の取り合い。シーソーゲームだが、やはり朱雀高校のメンバーは疲労が蓄積し、足に来ている。
ラスト20秒、2点差で引き離された。
相手のチームはパス回しをして時間を稼げば勝てるのに、点を取りに行った。
それを見逃すはずがない。ダブルチームで当たり、ドリブルカットをし、パスを必死につないだが、残り5秒。ハーフライン超えたところで、やっとキャプテンにボールが渡った。
迷っている暇はない。キャプテンは覚悟を決めて、渾身のスリーポインを打った。
奏絵に指導してもらった完全なる脱力からの全身を精密に用いたスリーポイントシュート。
体育館にいるすべての者が固唾を飲んで見つめる中、ボールは大きく宙を舞い、ボードに当たることなく、リングのネットに吸い込まれた。
スバッ
その直後、試合終了を告げるブザーが鳴り響く。会場内から、歓声が
嵐のように沸き起こる。朱雀高校のメンバーは全員、涙を流し飛び跳ねて
喜んでいる。ハイタッチの音がパチパチとうるさい程だ。
悲願の初優勝。チーム全員でつかみ取ったものだから、無理もない。
この時のシュートの感覚をキャプテンは生涯忘れることはできないと、
後に語った。このキャプテンが後に日本を代表する選手となることも、
後の話だが、二木川高校に異変が起こった。
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