デートは武道館で(転の章の始まり)

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 国善高校柔道部のみんなが、無事救急車に乗せられたことを確認した僕たちは、祖父のケータイに電話した。ちなみに、祖父は未だにガラケーだ。家族のみんながスマホにしたらと勧めているが、絶対にウンと言わない。必要ないの一言。全く、頑固ジジイだ。 「あなたがおかけになった・・・・」のメッセージが流れたので、僕は留守番電話にメッセージを録音した。 「国善高校柔道部、優勝。でも、相手達が鬼に変化して、怪我を負わされて、病院に運ばれた。命に別条がないけど、鬼だよ。退魔師、わかったよ、美人女子高生、わかってるって、キラちゃんの方が綺麗だよ、とにかく、退魔師が現れ、退治してくれた。詳しいことは、電話で話すから、連絡して。」  まったく、困ったものだ。自称、香港一の退魔師の陳桃陽と僕の恋人、星のビーナスの森 星明が、両側から牽制しあう。  僕は間に挟まれ、いい迷惑だ。キラちゃんは、これ見よがしに僕にベタツク。どうして、女の子って、こんなにややこしいの。  僕は、君たちの玩具じゃないからね。  僕たちは、都立体育館の玄関近くの自動販売機でジュースを飲んで、時間を潰していたら、祖父から、電話が掛かってきた。 「こっちも鬼が出たが、ワシらが退治した。詳しい話は、電話ではできん。ワシの家に、全員集合じゃ。その美人女子高生の退魔士とやらも連れて来い。よいな。」  一方的にしゃべり、こちらが一言も話す暇もなく電話を切る。  どうして、年寄りってこんなんだろう。うちの、祖父だけなのかな。
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