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「ヒエエエエエエ~」
真っ先に悲鳴をあげたのは龍美だったから、面白い。転んでも只では
起きない女は、武にすがりつく。武の追っかけだったもんな。
キラちゃんは、健気に悲鳴を押し殺して、僕にすがりつくから可愛い。
「ほほう、ジジイとババアの他に、若者が六人いるではないか。おや、そっちの中国人は退魔師かい。」
清廉 珠美であった。流石、妖狐が憑いているだけのことはある。
祖父と奏絵さんの気を追ってきたのであろう。意外と、ハイテクだな。
「いかにも、香港一の退魔師 陳 桃陽だ。首を洗って、待っておれ。
直に、封印、いや滅殺してやるからな。」
「まあ、威勢だけはよいこと。できるものなら、やってもらおうかしら。
私も、下校の度に襲われるのも嫌だし、ご近所にご迷惑をおかけする
わけにはいかないから、みなさんをご招待するわ。明後日の日曜日、
午後八時、私、十時からどうしても見たい学園ドラマがあるからさ。
その時間に、うちの高校の正門を開けておくから、いらっしゃい。逃げても、無駄よ。みんなの気は、覚えたから。じゃあね。」
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