第1章 マイホームできました

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 翌朝、私は発熱していた。昨夜は途中から辛くなっていたのは、風邪のせいで体調が悪かったみたい。  晴馬はおかゆを作ってくれて、市販の風邪薬を用意して仕事に行った。お弁当は諦めたみたいで、食費用のお財布から千円札一枚だけ消えていた。  11時頃にお母さんの働く町営病院に行って診察を受けて、お薬を貰った。インフルエンザではないとわかって一安心。でも、保育園では今年すでに三人の子がインフルエンザにかかっている。  数日後、熱が下がると仕事にマスクをして出勤。手が空いた時に英語の音声を聞いて時々発音練習もし続けてきたけど、咳だけが良くならなかった。気管支炎かもしれないと、吸入に通ってみたけど一時的な回復はあってもなかなか良くなってくれず、隣町の大きな病院に行ってみて新しい吸入を試したらすごく楽になった。  晴馬はずっと元気だった。学校でテスト期間は早く帰ってくることもあって、私の代りに夕飯の買い出しや料理をしてくれて。 「元気になってもらわないと。海外旅行中に悪化なんかしたら困るからな」って、気遣ってくれて。  私が不調の時はエッチなちょっかいもせずに、とても優しい夫だったので一安心。  家のことが落ち着いてきたら、晴馬が新婚旅行に乗り気なことがわかってきて、すごく安心。  私のわがままに付き合わせちゃうわけだから、なんだか少し後ろめたかったけど、荷造も協力してくれるし、ガイドブックを一緒に読んでくれるようになってきて毎晩とっても楽しくなってる。  飛行機に乗っている時間は10時間半ぐらい。関西空港から正午前に出発するため、前日夜のうちに移動する。フィンランド航空はゆったりめシートで快適らしいけど、念のため機内まくらを一人一つずつ用意したことを知った晴馬は、とっても嬉しそうに「ありがとう!」と喜んでくれた。  出発まで、あと一週間。
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