第3章 オーロラの下でやっちゃいました

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 車内食堂があるみたいだけど、腹いっぱい食っておきたくてステーキハウスを検索した。ライスが注文できて、俺は豪快に食べるのを夏鈴は唖然として見ていた。 「白ご飯、食べれたね」 「取り合えず助かった」  夏鈴は旅行中でも普段と変わらない量をいつものペースで食べる。野菜から始まって次は肉。そして最後にパンを食べた。トナカイの肉料理っていうのがあるらしいけど、やめておいた。何となく、エゾシカを思い出すからかもしれない。共食いしているような気分になるんだよな。ってか、この前、ひき殺してしまったが…。  あの雄鹿は成仏してくれただろうか?  幼い頃、山でよくみかんの皮を食べさせたからかもしれない。親父とお袋と時々、干したみかんの皮を山から降りてきた鹿に与えていたから…。 「足りるか? それで」 「うん。晴馬は?」 「俺は、満足したよ」 「良かったね」 「あとは…。白兎をもう一回食べたいけど…。列車の個室ってどうだろうな?」  夏鈴に苦笑いをして返事をしてくれなかった。やっと腰の痛みが良くなたところだから、しょうがないか。
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