4人が本棚に入れています
本棚に追加
「あははははは」
診断結果を見て緑子が笑い出した。
「何これ? 診断結果東村くんにぴったりすぎでしょ!」
「ぴったりってなんだよ」
「夕方川上と一緒に帰る尊い時間について綴って、ひたすら川上への愛を書いたら? それでいいじゃん! 決まり!」
「いやいやいやいや。そんなの無理だし」
「はあ。東村くんさあ、そうやって自分の心とちっとも向き合わないからなにも書けないんだよ」
「え? 何それ? どういうこと?」
「本気で言ってんの? 川上くんのこと死ぬほど好きなくせに、いい加減認めたら? 意地張りすぎ」
「ああ!? 勝手にボーイズラブにすんなっつってんだろ!」
「じゃあなんで、川上くんと一緒にいるときと、川上くんの話してるときしか楽しそうな顔しないのよ! 私と部室にいるときはいつもいつもつまんなそうにして! 私も辛いんだからね!」
「え……?」
「私さあ、最近ボーイズラブばっか書いてるけど、ほんとは、腐女子でもなんでもないよ。川上くんの話をするときの東村くんみてたらなんかかわいいなって思っちゃって。それを膨らまして形にしただけ」
「なんでそんなこと! なんで俺を題材にしてんだよ」
「東村くんのこと、好きだから」
緑子は真っ直ぐ俺を見つめていた。俺はびっくりしてした。告白されたことよりも、こんなに素直に感情を伝えてくる存在に。
最初のコメントを投稿しよう!