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数日後、最後の授業が終わり、何気ない学校生活は次の卒業式で終わりとなる。
しかし、ここ数日の間、楓には困った出来事が起きていた。
「何故、何故あの双子がそろって私を睨みつけているの!?」
「私は何かしたのか?」と楓は心の中で叫びを上げる。今にも飛びかかってきそうな双子に怯え鞄を抱え逃げる準備をした。
ホームルームが終わると楓以外にも一斉に椅子から立ち上がる人だかりができた。
今日は、授業最後の日あわよくば、身につけていた衣服の一部や文房具などを貰おうとクラスの女子達が一斉にあの双子にの元へと向かったのだった。
「今がチャンスだ!」と好機とばかりに楓は教室から飛び出した。
背後で双子の声が聞こえた気がしたが、楓は、両手で耳を塞ぎながら走り去っていった。
階段を二段飛ばしで駆け下り、ダンッと靴箱に手を突くと後ろを振り返った。
双子はまだ居ない楓は靴を急いで履き校舎を逃げるように出ていった。
「なんだったんだろうか。 てか美形にガン飛ばされて生きてる心地しないよ〜!」
帰り道は休まず走り、楓は帰宅時間の過去最高記録を叩き出した。
楓はその勢いのままポスト力強く開いた。
その勢いでハラハラとポストからは黒い紙が落ちていく、楓は不思議に思いその黒い手紙らしくものを拾いあげた。
「? ラブレターとか?訳ないか、それとも不幸の手紙?うわっ ありそ~」
楓はハラハラさせながらその手紙を歩きながら読むことにした。
黒い紙に白い文字で書き記された文章に楓は言葉を失う。
背後から誰かに見られているようで、背中には変な汗が流れた。楓は恐る恐る振り返った。
絶対に誰かが見ている確信があったが背後には誰もいない。上を向くと昼間なのにカラスやコウモリがやけに飛んでいた。
カラスとコウモリの瞳はその血のように赤い瞳で絶対逃がさないとばかりに楓の頭上をぐるぐると回っていた。楓は不気味な予感にゾッと背を縮ませた。
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