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一話
私はごくごく普通のどこにでもあるアパートで家族と生活をしている女子高校生。母親と弟と父親がいるけど、父親は仕事で滅多に帰ってこない。普段は母親と弟と私の3人で暮らしている。それでも毎日明るく楽しく平和に過ごせていた。今日は弟の誕生日だ。来年から中学生になるぐらいの年だ。ケーキに刺さったろうそくの火を消し、明かりをつけようとした。どこからか爆発音が響く。家の中ではない。外からだ。音の発生源を調べようとしたときには遅かった。いや、そもそもだ。アパートにいる時点で遅かったのだ。悲鳴と共に建物が倒壊する。暗闇の中自分の母親と弟が瓦礫に押し潰されるのを目にした。助からないのはすぐにわかった。自分だけでもと思い玄関を蹴破ったが、当然私も瓦礫に巻き込まれた。
アパートが倒壊し瓦礫の山が築き上げられた。そしてそこには多数の死体の他に黒いスーツになにか口元を隠す無機質なマスクを付けた男性が二人いた。
「キレイに吹き飛んだなァ」
「まだ終わってない。まだ生体反応は一つだけある」
「そこに転がってる女だろ?」
瓦礫の山の隣に血まみれになった黒いショートヘアの女子学生が倒れていた。奇跡的に生き残ったのだろう。
「どうしたぁ?痛くて声も出ないか?」
男性の一人、背の小さい方が少女の髪をつかみ持ち上げる。
「…ぅ…ぁ………」
小さなうめき声を上げながら口から血を流していた。
「さっさと殺せ。我々の仕事はまだある」
「もう少しいたぶってもいいじゃないか……と言ってもすぐ死ぬだろうけどな」
「…ぁ…………て………やる……」
少女がかすれた声でなにかつぶやいた。
「あぁ?」
「…ころ………やる……!」
「死にてぇのかぁ!?」
「……殺してやる……!!」
「え」
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