一話

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「……誰?」 『そう警戒しないでください。私はあなたを助けた精霊のようなものです』 「…貴方が私に変な力をくれたの?」  そう。人の力とは思えないほどの筋力。普通コンクリート付きの鉄筋をバットを振り回す感覚で振れるわけがない。 『変なとは失礼ですね。ですけど、正直これは私も問題がありました。私の力は魔法少女にするというものですが、その魔法は本人のステータスを参照するものでして』 「つまり?」 『貴方に魔法のセンスがない代わりに物理に特価したステータスだったのであのような形に』  というのも仕方のないことかもしれない。母親がもとアームレスリング世界チャンピオンのため、食事に自然とプロテインが入っていたり、トレーニングに付き合わされることもしばしばあった。 「まあいいよ。さて」  最初の二人の死体のもとに向かう。そして黒スーツの胸元を漁る。そして 「あったあった」 『死体漁りからの財布強奪とは……』 「死人に口なし、猫に小判、豚に真珠。あっても無駄でしょ」  どうせなら自分が有効活用してやるべきだ。他の二人も漁りたかったが、そもそも何もかも木っ端微塵になってるので漁ろうにも漁れない。血に濡れた二人の財布の中身は合計で10万円程入っていた。これでそれなりには動けるはず。
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