第1章: エーデルシュタイン学院の日常

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 欠伸をかみ殺しながら、中庭を挟んで対岸にある魔法科教室へと移動する。  武術科の資料か何かで見たことがあるような気がするが、この中庭はいわゆる『和風』というイメージをベースに作られているという。  わりと騒がしい校舎内においては、少し異質なまでに静謐な空間のような感じがする。  わびさび? とか言うヤツなのだそうだ。  よく分からないが。  敷地が広いというのは、別にキャンパス全体が広いということだけではなく、中等部や高等部などのそれぞれの校舎も広い。  少し無駄なまでに、広いと思う。  少人数学級の構成になっているため普通教室の数も多い。  少し特殊な授業・講義も多く、それに対応するための教室・講義室も設置しなくてはならない。  そうなれば、広い空間が必要となるのは当然の帰結だ。  だが。
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