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第1章: エーデルシュタイン学院の日常
朝のホームルームが終わると、教室内の喧噪はさらにパワーアップする。
いつも通りにオレは頬杖をつきながら担任の言うことをひとまずは耳に流し込みつつも、無意識を貫いていた。
担任教師が何を言ったかはろくすっぽ覚えていないが、周囲の様子からすれば、大したことはいっていないと見える。もしなにか重要な話があれば、この時間はその話題で教室中が満たされるはずだ。
そもそも学年内でも、よく言えば元気な、悪く言えば騒がしいクラスだ。ホームルームと言えども、節度を保った上でおしゃべりは続く。
それでも、クラスメイト全員が話を全く聞いていないわけではないし、教師も概ねそれをわかっている。余程重要なときは注目を集めるような言い方をするし、それをオレたちも察した上でその時は話に集中はする。
ある程度の信頼感と緩い連帯感が存在している。
――そう言えれば、それなりに聞こえは良いのだろうが。
生徒指導的教師からは若干目を付けられているというのも、また事実だった。
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