第1章: エーデルシュタイン学院の日常

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「シェーン、そろそろ行こうよー」  前の席に座るミクリが、笑顔で振り向いてくる。 「んー。……あれ、1限目なんだっけ?」 「魔法科でしょ。……ホントにさー。ちょっとは時間割くらい覚えようよ」  見れば、左手にはペンケース。  右手に教科書、資料集、ノートを抱えている。  準備万端のようだ。 「気が向いたらな」 「シェーンの気が向くことって、そんなに無いじゃない」 「まぁな」 「褒めてないぞ?」 「知ってる」 「……もう」  ミクリは半ば諦めたように席を立った。  さすがにそのまま置いて行かれるのも困る。  オレもカバンから必要なアイテムを取り出して後を追った。
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