第1章: エーデルシュタイン学院の日常

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 エーデルシュタイン学院高等部。  これが、オレたちが通う学校の名前。  幼稚舎から大学院までばっちりと取りそろえた公立の教育機関であるこの学院。  ある意味でパブリックスクール的な側面を持った、とにもかくにも「自由な校風」を謳う、いわゆるエリートが集まる学校とされている。  ――――――ここを暈かすのには意味があるのだが、それは察して欲しい。  学内には寮も完備されているが、オレのように自宅から通う生徒も居る。  徒歩圏内とされる領域の中に住居が在る場合は寮に入るか否かの選択をすることができるという仕掛けになっているためだ。  他にも似たようなシステムの学校はあるのだが、ウチは全寮制ではない。  時々他校生や周囲の人らも勘違いをしていると言う話は、いくらか噂話のようなものとして耳にしたことはある。  ここら辺も「自由」の一環ということらしい。  一概には言えないが、寮生の方が概ね好成績であるという話を聞いたことがある。  聞いたことがあるというか、厭でも耳に入ってくると言うか。  その辺りはきわどいところ、非常にセンシティブな話だ。  ――――――待て。そこでオレを見ないでくれ。  そこら辺も、できれば話の序でに察して欲しい。  そしてもちろん例外も居るから、そこは安心して欲しい。
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