第1章: エーデルシュタイン学院の日常

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 全寮制に間違われることがある、という話に戻りたい。  正直言えば、この構内で生活のすべてを完結させることも充分可能なのだ。  衣食住、すべてにおいて申し分の無い環境だ。  住環境はともすれば三つ星ホテルとも言われるレベルの寮。  食事に関しても、自分の好みに付き従うような偏食メニューもできるし、生徒それぞれのその日の体調までも見極めた上で栄養士がきっちりとサポートするメニューまで。  衣に関しても、独自のアパレルブランドが多数あるという謎の充実っぷりだ。  若者が集まる話題のファッションストリートにも太刀打ちできるという評判で、構内にそのショップが集まるビルがあるという始末。  もちろんOB・OGの様々なサポートのおかげで、所属学生は定価として出ている値段の90%引きで購入できる。  ――――ちょっとおかしいくらいの充実っぷりであることは理解してもらえただろうか。
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