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俺は考えた。
何かに繋がる鍵はないかと、俺は見回る。そーだ!俺はまだ幽霊歴2時間だから、いろいろと知らないことだらけだ。俺の他にも幽霊がいるはず、そいつを探して、幽霊について聞いてみよう。分かんないものは、人、いや幽霊に聞くのが一番だ。その後、町全体は周ったが、なかなかそれらしいものは見つからない。このとき俺は、なんとなく世界の広さを理解できたような気がした。
俺が諦めようかと思ったその時、
「おーい、お前、もしかして幽霊?」
誰かが呼んでいる。宙に浮いていたので向こうも幽霊か。ま、二十前半の男って感じか。俺は答えた。
「そう、幽霊になったばっかりだ。」
「新米幽霊かよ。」
「幽霊ってタイムスリップできるのか?」
そいつは笑った。
「できるわけねーだろが。幽霊はただの空気みたいなもんよ。だから、空飛べたり、すり抜けたりできるがか。馬鹿だな、お前は。」
俺は言った。
「空気?それは違うな。空気って考えたり、しゃべったりできないだろ。」
そいつは言った。
「新米のくせに生意気だな。殺してやろうか?」
俺は言った。
「幽霊だから、もう死んでるぜ。」
どこかで見たことあると思ったら、その男は殺人鬼だ。一昨日、ニュースで見たような気がする。男はこちらを睨んでいる。
その時、俺たちに前に黒い渦が現れた。それは竜巻のようで、幽霊をも飲み込む、未知のものだった。
「なんだこれ、お前のせいだぞ!!新米!!くそー、死にそうだ。」
「だから、もう死んでるって。」
こうして、俺のもう一つの物語が始まった。
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