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「それが・・・、悠斗が直接手を出したんじゃなくて、間に何人も関係のない奴らを通しているから証拠が掴めそうも無いんだ。それにあいつは薬をやってないから、捕まったところで検査をすれば、釈放されると思う」
しゃべっている間に、翔の足がかくんと折れ、床に覆いかぶさるように土下座をすると、最後とばかりに、泣き落としを始めた。
「なぁ、瑞希、頼むよ。この通りだ。俺が捕まったら父さんの会社もダメージを受ける。本当に外国のたばこだと思って吸ったんだ。違法ものだって知らなかったんだ」
「自業自得じゃないんですか?お兄さんの尻ぬぐいをするために、私をあんな人に売るんですか?」
瑞希は、だんだん悔しくなって、涙が出てきた。こんなバカな兄なんていなかったら良かったのに・・
「悠斗とはもうつるまないって約束する。それに、性的なことは無しで話しをするだけと約束させるから、頼むからあいつと二人で会ってやってくれ」
「今ここで、電話をかけて条件を飲ませてください。でないと、安心して会えません」
分かったと頷いた翔はスマホを取り出し、宇南悠斗のナンバーを呼び出した。
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