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宇南邸
「はぁ?何その条件?お前自分の立場分かってるのかよ!?写真だけじゃなくて、こっちはお前が危ないもの吸ってる画像もあるんだぞ!」
その日は久々に大雅が家に早く帰り、2階にある自室へと階段を上っている最中に大声を聞いた。内容ははっきりとは聞き取れないが、悠斗の部屋から興奮した声が廊下まで漏れてくるので、自分の部屋のドアを素通りして、弟の部屋の前で立ち止まった。
また、何か良からぬことに首を突っ込んでいるんじゃないかと心配になり、そっとドアを回すと、悠斗はドアに背中を向けてベッドに座り、スマホに向かって怒鳴っていた。
「俺の方が犯罪だって!?そんなことあるかよ!」
犯罪?大雅はその言葉を聞き逃すわけにはいかず、悠斗に気付かれないように、そっと部屋の中に足を進めた。
「分かったよ。条件を飲めばいいんだろう?場所は○○クラブの中の【懺悔】の部屋に1時間後だ。マスクを入口で渡されるから、顔を見られないようにつけて入ってくれ。じゃあな」
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