便利屋への転身

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一目 新道 俺は只の医薬品製造企業に勤める会社員だった。 人並みに学生生活を送り 人並みに恋愛経験をし 人並みに社畜人生を過ごしていた 現在独り身で少し離れた場所に両親が住み 2つ歳の離れた兄には今年二人目の娘が産まれた。 ふと自分は何をしていくのか これから先何を求めるのか 考えるだけ無駄だが虚しくなる。 高校時代から就職して少しまで 付き合った彼女にした自分勝手な約束を 俺は貫いている。誰も望んでないだろうに そんな事を考えていた俺にふと入った知らせ 両親が旅行中の飛行機内でハイジャックに巻き込まれた。 テレビを点ければどこもそのニュースで持ち切りだった。なぜなら国内の、それも地方から地方へのフライト そんな所をハイジャック文字にしてみれば不可解な事この上無い 俺は警察から機内に家族が居ると連絡を受けた。 ちょうど両親が旅行に出てる間自分も休みだった為 実家の留守番をしていた所への連絡だった。 すぐ兄に伝えた、兄もテレビを見て気づいたらしく 家族を連れこちらに向かっているらしい 実家に戻った兄の顔は青白く兄嫁は瞳を潤ませていた。 俺は後ろめたい気持ちでいっぱいだった この両親の旅行は定年した二人の為俺が楽しんでくれと送った物だからだ。 俺の気持ちを察してか兄はただ お前は親孝行しただけだと言った。
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