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両親の安否はおろか機内がどうなっているのかすら分からない。何事かも分からない姪が俺の所に来る。
心配と恐怖で顔が強張る俺に姪はどこか痛いのかと問う。俺もこんな小さな子にまでと無理な笑顔を作り大丈夫だと答える。
兄は姪と兄嫁を客室の方へ移るよう言い俺と兄がは二人きりになった。、
お前が今心配しても俺がどんなに心配しても
父母が助かる訳じゃない、帰ってきたら笑顔で迎える
帰って来れなければ………その時考えればいい
不器用な兄の精一杯の慰めだったのかもしれない
しかし、昔から俺の予想予感は当たる。
この時感じた予感
両親は生きて帰らない
後日、両親の乗った飛行機は操縦室内で暴れた
ハイジャック犯が機長、副機長を殺害しそのまま墜落
乗員乗客76名全て死亡した。
全国的なニュースとなったが言い方は違えど
どこも地方線で良かったと、乗員乗客が少なくて良かったというニュアンスの者だった。
ある番組に至ってはオブラートに包まず
そのまま、地方だから死者が少なくすんで良かったとズバリなコメンテーターが居て被害者遺族からの抗議により謝罪するまでになった。
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