便利屋への転身

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俺は兄と二人両親の葬儀に向け準備を行った。 会社には公休届を出し、親族周りに弔辞の連絡をした。 父方の祖父母は亡くなっているが母方の祖父母は存命で直ぐにこちらへ来て手伝いをしてくれた。 父母とも兄弟が多く、心配して叔父叔母従兄弟衆も続々と駆けつけてくれた。 特に父の妹である明美さんは小さな頃父に世話になったからと色々と世話をやいてくれる。 ウチの地元では葬儀になると親戚中が集まり 火葬までの遺体の世話、大人数の飯の準備、祭壇灯籠の準備、葬儀当日の役割の割り当てを行う。 喪主は兄が行い、当日の親族への挨拶と受付を俺がやることに決まった。俺も、恐らく兄もこうなった時は涙が止まらず何も出来ないと思っていた。しかし、歳をくったのか周りに皆いるからか黙々と準備に移れた。 そんな俺たちに少しは体を労るようにと明美さんが寝るように勧める。俺たちが倒れて死んだ父母は喜ばないと言い布団と風呂の準備をしてくれていた。 言葉に甘えよう、葬儀は明日、今の状態では本当に倒れてしまう 兄にも言われ風呂に入り眠る。 その晩の夢、赤い景色に白い家がポツリと建つ なにかも分からず俺はただその家を見つめる そして聞こえてくる女の声 これはアイツだ 忘れもしないアイツの声だ 俺が人生最初で最後に付き合うと決めた その彼女の声だった。 八雲 芹香 その声はただ俺の名前を呼ぶ だがどこを見ても芹香の姿は無い そして芹香は大丈夫だからと言い俺は目を覚ます。
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