1.初めまして、みなさん

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 この半端者!半端者!と喚き散らしているときは、なんと心が晴れやかになったことか。まあすぐ終わってしまうのですが。ほんと、他人を憎んで埋め合わせした心は、すぐに空っぽになってしまうんです。そして満たされない空洞を埋めるため、また同じことをしてしまうのです。ダイナマイトでもあればもう見ないで済むように入り口をふさいでしまうのですが、当時の僕にはそれが出来なかった。冒険家のように洞窟を進んでいっては、いつも真っ暗な世界で一人壁という壁にピッケルをブチ当てていたんです。いつも響くのはピッケルの残響音だけ。何も残らないのです、結局は。  さて少し暗い話をしてしまいましたが、エリートと呼ばれる彼らは、男でも女でもあるのです。アクターとアクトレスの両方を演じきることのできる者、それがエリートとなり得るのです。だから彼らは男でも女でも、どちらでもなれるんです。ほんと、凄い人たちなのです。  こういう社会、学校ですので、むろん社会的な成功の尺度は、いつも演技力となるんです。     
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