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寝室に運び、枕を高く重ねて、その上に寝かせる。 担当編集にはついてこなくていい、と言った。 とりあえず会社に帰れ、後で連絡するから。 そう言うと、彼は、ようやく自分の仕出かしたことの重大さに気づき始めたようで、ガタガタ震えながら、それでも消え入りそうな声で「先生、原稿、本当にお願いします」と懇願して、去って行った。 そりゃあ相楽だって、そこまで追い詰めてしまったぐらいなんだから、なんとかしてやりたいけれど。 彼だって、遊び人ではあるけれども、鬼畜ではないのだ。 ベッドの上に横たえた桔平の髪を、サラリと掻き分ける。 完全に意識を失っている。 そのほんのり開いた唇から微かな色気を感じてしまい、相楽はごくりと唾を呑み込んだ。 思わず視線をずらすと、首筋に貼られた幾つもの絆創膏が目に入る。 昨日、バーで見たときは、そんなものつけていなかった。 つまり、あの後、あの男に抱かれたのだろう。 どんな痴態を見せたのだろうか。 そっとシャツの襟元に指を引っかけて、中を覗き見る。 絆創膏の貼られていない、鎖骨より下のあたりには、舞い散る桜の花びらのように無数の赤い痕。 誘惑に耐えきれず、そっと指先を滑り込ませる。 赤い痕が多過ぎて、見た目ではどこにあるのかわからなくなっているその突起をそろりと探す。 「ん……」 指先に微かに触れたその小さな突起を、そっと撫でると。 鼻に抜ける甘い吐息が、その半開きの唇から漏れた。 ゾクゾクと背中に震えが走る。 普通にしていると仄かにしか感じられない色気が、封印を解かれたかのように溢れ出してきたのだ。 昼間は清純な処女のようで、夜は妖艶な娼婦に変わる。 そんな錯覚が、男の劣情を酷くそそるのか。 なるほど、これは、堪らない。 相楽は、シャツの襟元に差し込んだ片手で、ふっくらと浮いてきた突起を捏ねるように撫で回し続けながら、空いているほうの手で、そのシャツのボタンを外し始めた。 殴って気絶させて拉致した上に強姦なんて、さすがにヤバい犯罪になる。 そんな警鐘も頭のどこかで鳴っていたけれども。 突起を指先できゅっと摘まんだら、その白い喉が小さく仰け反った。 再び甘い吐息が漏れて、仰け反ったその喉が微かに震える。 それだけの動きに、理性が吹き飛ぶのを感じた。 このひとを抱きたい。 思う様抱いて、グズグズに乱れさせたい。 身体の奥から沸き上がってくるそんな衝動に支配される。
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