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見られることを嫌がる桔平を宥めて説き伏せて、浴室でその身体を洗いながら、傷つけられていないか、酷い扱いをされなかったか、くまなくチェックした。
後孔は弄られた形跡がなかったから、その男が言っていたように素股だけだったのだろう。
そう告げたら、桔平は少し安心したらしく、やっと身体の強張りを解いて、遊佐の腕に身体を委ねてくれた。
ベッドの上、眠る桔平の髪を撫でる。
泣きすぎたせいで目の周囲が腫れていて、痛々しく見えた。
真面目で頑なところがあるひとだ。
同棲することに頷いて貰うのにも、随分時間がかかったぐらいだ。
いくら遊佐がそれでも構わない、と言ったところで、他の男に抱かれていたら、それをよしとせず、彼の元を離れていくかもしれない。
もちろん、そんなこと、絶対にさせないけれども。
それでも、そんなことになったら、身体ではなく心が酷く傷ついて苦しむことになるだろう。
そんな誠実で潔癖なひとを、意識を失った状態で好きにしようとしただなんて、本当に許しがたい。
遊佐は、桔平には決して見せない冷酷な顔になる。
日本では、どんな人気者でも、決して手を出してはいけない領域が二つある。
薬物と児童絡みの性犯罪だ。
その二つだけは、いずれかを押さえられたら、どんなに飛ぶ鳥を落とす勢いの人物でも一発でアウトなのだ。
相楽柳凛は、あれだけ奔放に遊んでいながら、そのへんは弁えていたらしい。
母方の伯父が政界の大物だけあって、そちらからもよく言い含められているのだろう、致命的なスキャンダルにはならない範囲で遊んでいる。
酔わせて無理矢理、とかもなく、ほとんどが合意の上での関係だった。
だけど、派手に遊んでいればいるほど、やはり一度や二度の過ちはあるものだ。
遊佐は、その辺を徹底的に調べ上げていた。
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