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授業中
それはとても暑い日だった。
最高気温は今年1番を記録し、午前11時の時点で37度をこえていた。
汗かきの私は公立高校で現代文の講義をしていた。
「そこで、主人公のぉ~、ポルテガッタストはぁ~。」
頭のてっぺんから汗がしたたり落ちてくる。
タオルハンカチで何度も額をぬぐった。
Yシャツはビチョビチョになり、このまま私はとけてなくなるのではないかと思った。
「そこでぇ~、親友のホメロパスダダートはぁ~。」
しゃべりながら意識が遠のいていくのを感じた。
そして、2、3秒気絶した。
生徒たちの野太い悲鳴で、目を覚ました。
「せ、先生!溜田(たまりだ)先生!!。」
「な、なんだ?なんだ?」
「先生の体。と、と、とけてますっ!」
そうなのだ。不肖、溜田。
ゼリー状に体がとけてしまったのだ。
教壇の上に残ったその姿はゼリーか、はたまたスライムか?
プルップルッ、プルップルッ痙攣していた。
「落ち着け、生徒たちよ!」
生徒たちがハッとする。
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