第二章

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 節分は本来タダで物をもらえるラッキーな日って意味じゃないんだけどなぁ。 「それでは、どうぞ。終わりましたら次の方に交代して頂けると助かります。列に並んでお待ちの方は、空いた場所に順番にお入りください。終わられた方はこちらへどうぞ。福ものをお渡しします」  参加者たちはそれぞれ思い思いにあれこれ吐き出しながら豆をぶつけていった。  思いっきり投げまくるとスッキリするよね。皆帰る時は晴れ晴れとした顔をしていた。  それから……ビニールシート、これ仕掛けがあるのよ。裏側には邪気を祓う魔法陣が描かれてるんだ。  九郎が比良坂さんに発注したらしい。陰陽師が使うものだって。実際に描いたのは妹の桃ちゃんだそうで、ワケあり六歳・実年齢12歳はやっぱり普通じゃないね。すごい効き目だ。  トラブルもなく、無事終了した。  豆を地面にたたきつけるのでストレスを発散できたようで、クレーマーが出ることもなかった。ほんとよかった。  豆はスタッフがおいしく頂きました。待機してた鳥部隊ね。そのために待ってたの。  豆食べない種類の鳥もいるじゃんって? 妖だもん、普通の鳥とは違うから。 「皆の者、今日はありがとう。何事もなく無事終わることができた」  九郎は手伝ってくれた配下や鳥たちに一人ずつお菓子を配った。少し早いバレンタインも兼ねてる。一緒にバイト代も渡した。
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