あの女

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あの女

終わりの見えない凍てつく寒気が上空に居座っている2月の在る朝。 今日は仔犬を引き取って来る予定になっている。秋田犬の、仔犬だけど。 あの女は何時まで此処に居座っているつもりなのだろうか?本来なら口も聞きたくない存在である事は、娘でも同じ気持ちなのだけれど。 何が嫌かって?そうね色々だわ。まぁ細かく挙げて言ったら限がないから、代表的な事だけにしようかしら。 だらしない、汚い、執拗い、空気読めない、私の伴侶に色目使うこれが一番酷い耐えられない。 やっぱり存在を全否定したい。それが一番手っ取り早いもの。 『居候三杯目にはそっと出し』 今はあまり使う機会すらないことわざだけれど、居候してる身分ならわきまえろ、って事なのよね。 なのにあの女は自分の家宜しく好き放題やってて、食べた食器すら下げたことがない。食べたまんまだらしなくコタツで寝てるわ。 若いって凄いのね人目もはばからずに平気で醜態晒してるのだから。     
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