1.選ばれし戦士

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 日本には、政府直属の要人を警護する極秘精鋭部隊がある。私はその精鋭部隊の隊員だ。名は城之内(じょうのうち) 聡美(さとみ)。  普段は高校生として学校に通い、部隊の招集がかかれば臨場し、要人を警護する。  要人には、世間には公表されていないが、地球外知的生命体が大多数だ。  また、地球侵略を目論む宇宙人の対策も行なっている。 「聡美ー」  某都立高校。  昼休み、私はクラスメイトに声をかけられた。 「どうした、夏帆?」  山宮(やまみや) 夏帆(かほ)。高校に入ってできた初めての友達だ。 「聡美さ、アルバイトしない? うちの喫茶店、人手不足なんだよね」 「無理。今のバイトで手一杯」 「え? 聡美、バイトしてたっけ?」 「え? あ、いや……」  言えるわけがない。喋ったら殺されるか、運が良ければ記憶を消されるだけで済むだろうが、どちらも恐ろしすぎる。 「無理なら仕方ないか」  夏帆は諦めて去っていった。  ピリリリリ──。  伝令通信機からアラームが鳴る。召集命令だ。  私はカバンを手に、教室を出ようとする。 「あ……」  扉を開けた瞬間に教師と出くわした。 「どこ行くんだ? 授業はまだあるぞ」 「祖母が車に撥ねられて危篤(きとく)で」 「それは大変だな。早退を許そう」 「恩に切ります!」  私は急いで部隊の基地に向かう。  近くの電話ボックスに駆け込み、八桁の暗証番号と音声を入力。  すると、私の体が基地に転送された。 「全員、集まったな」  隊長が召集の理由を説明する。  どうやら、地球外生命体が街中に出現したらしい。  渋谷の一角で怪物が暴れているとのことだ。  住民は警察の協力で避難が完了している。  私たちは渋谷の一角へと急ぐ。  渋谷の一角は、焦土と化していた。 「ぐおおおお!」  怪物の咆哮。 「私、行ってきます!」 「気をつけろよ!」  私は咆哮のした先へと慎重に進んでいく。  そして、怪物の姿を視認する。 「グルルルル……!」  怪物がこちらに気づいて襲ってきた。  私は攻撃をいなし、カウンターを放った。  怯む怪物。 「は!」  すかさず腹部に蹴り。  怪物はよろめきながら後退して倒れた。
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