2人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
日本には、政府直属の要人を警護する極秘精鋭部隊がある。私はその精鋭部隊の隊員だ。名は城之内 聡美。
普段は高校生として学校に通い、部隊の招集がかかれば臨場し、要人を警護する。
要人には、世間には公表されていないが、地球外知的生命体が大多数だ。
また、地球侵略を目論む宇宙人の対策も行なっている。
「聡美ー」
某都立高校。
昼休み、私はクラスメイトに声をかけられた。
「どうした、夏帆?」
山宮 夏帆。高校に入ってできた初めての友達だ。
「聡美さ、アルバイトしない? うちの喫茶店、人手不足なんだよね」
「無理。今のバイトで手一杯」
「え? 聡美、バイトしてたっけ?」
「え? あ、いや……」
言えるわけがない。喋ったら殺されるか、運が良ければ記憶を消されるだけで済むだろうが、どちらも恐ろしすぎる。
「無理なら仕方ないか」
夏帆は諦めて去っていった。
ピリリリリ──。
伝令通信機からアラームが鳴る。召集命令だ。
私はカバンを手に、教室を出ようとする。
「あ……」
扉を開けた瞬間に教師と出くわした。
「どこ行くんだ? 授業はまだあるぞ」
「祖母が車に撥ねられて危篤で」
「それは大変だな。早退を許そう」
「恩に切ります!」
私は急いで部隊の基地に向かう。
近くの電話ボックスに駆け込み、八桁の暗証番号と音声を入力。
すると、私の体が基地に転送された。
「全員、集まったな」
隊長が召集の理由を説明する。
どうやら、地球外生命体が街中に出現したらしい。
渋谷の一角で怪物が暴れているとのことだ。
住民は警察の協力で避難が完了している。
私たちは渋谷の一角へと急ぐ。
渋谷の一角は、焦土と化していた。
「ぐおおおお!」
怪物の咆哮。
「私、行ってきます!」
「気をつけろよ!」
私は咆哮のした先へと慎重に進んでいく。
そして、怪物の姿を視認する。
「グルルルル……!」
怪物がこちらに気づいて襲ってきた。
私は攻撃をいなし、カウンターを放った。
怯む怪物。
「は!」
すかさず腹部に蹴り。
怪物はよろめきながら後退して倒れた。
最初のコメントを投稿しよう!