0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
間違う
2月14日、俺達はそわそわしていた。
いわずもがな朝からずっと期待を馳せてただひたすらそわそわしていた。
期待するだけ無理、無駄だとは解っている。
解ってはいる…けど、どうしても期待してしまう…させられてしまう…今日はそんな日なのだ。
悔しい。世界に踊らされている…すごく悔しい…。
なんてことを思いつつ、移動教室から戻り机に道具をしまっていたら、お手紙が…お手紙が入っているではないですかッ!
え?これどういうこと?罠?
一応名前を確認する…
同じクラスではあるが、話したことはない。
俺も別にカースト最下層というわけでもないし、女子に話しかけられることもあるし、そのまま会話するくらいのことはある。
でも話したことはない。
彼女もまた目立つわけでも目立たないわけでもないし、話しかけることを躊躇われるような美女というわけでもない。
でも話したことがなかったことに、今気づいた。
もしかして…そんなにも俺が好きだったとか?
話しかけられないほどに?
やだ、嬉しい。なんていやいや自惚れじゃないか?いやいや。
手紙に指定された時間は昼休みの終わり。
まさに今、昼休みである。
最初のコメントを投稿しよう!