封印と善行

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封印と善行

 俺が目を覚ましたのは、すっかり日が暮れてからで、一人暮らしの部屋のベッドに横になり、濡れた服は丁寧に洗われて干されていた。  そして、部屋のテーブルに置手紙があり、その文面は『服を洗っておきまた。 風邪をひかないよう気を付けてください 阿より』    狛犬かい! と心でツッコみを入れると、俺の頭上に若干ではあるが違和感を感じて、鏡で確認すると、そこには、今まで見たときもないような、美しい鳥が一羽とまっている。  「あら、もう起きれるの?」    「えっと、会話できるんですか?」  直前に、狛犬に介抱されたり神に腹パンくらったりと、非現実的な出来事が立て続けにおきており、鳥が頭にのっている程度やその鳥が会話できるレベルでは、もう動じない。  そして、直感でわかる。  この子は、きっと俺に託されたウバメドリなのだと。  「とりあえず、礼は言うわね。 ありがとう。」  「いえいえ、ご丁寧に、こちらこそ。」  挨拶を済ませると、頭から羽ばたき降りると先ほどまで見ていた女性の姿に戻る。  しかし、しっかりと紅い注連縄で縛られたままで。     
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