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コンクール当日。
午前中にピアノ部門が行われる。
初っ端の演奏から、あまりのレベルの高さに逃げたくなる。
推薦で決勝戦に出た手前、下手な演奏はできない。
次々と参加者が演奏していく中、絶望感しかなかった。
「北瀬、大丈夫か?」
ふと、わたしの隣に相馬くんがきて、座った。
緊張してガタガタ震えてるわたしの右手を両手で包んだ。
「大丈夫。北瀬の弾くピアノ、俺は好きだよ。いつも通りに弾けばいいんだよ」
相馬くんがはにかんだ笑みを浮かべた。
相馬くんはしばらくわたしの手を握ってくれた。
緊張してガタガタ震えてた身体が治った。
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