君の奏でる世界

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遅刻、遅刻、遅刻。 6時半に目覚ましをかけたのに、目覚めたのは7時半。 慌てて制服を着て、長いゆるい天パの髪をポニーテールにまとめ、学生鞄を持って、家を飛び出す。 ママもパパも、外資系企業に勤めていて、朝早くから夜遅くまで帰って来ない。 自分がしっかりしないといけないのに、ついついやってしまう夜更かしで寝坊。 近くの公立中学校でなく、国立大学付属の中高一貫校に通ってるわたし。 自転車で5分先にあるJR駅から、列車にゆられて3つ先の駅で降り、そこから徒歩15分。 遅刻なんてしたくない。 不真面目な子だって、相馬くんに思われたくないから。
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