君の奏でる世界

3/20
前へ
/43ページ
次へ
「凛花、今日、いつもより遅いね。どしたん、珍しい!」 いつもなら8時前には着いてるわたしだけど、今日は8時15分とギリギリになってしまった。 いつも行動を共にする、酒井舞ちゃんと木村結衣ちゃん、益田玲奈ちゃんが駆け寄って来た。 「夜遅くまで小説読んでたら寝るのが遅くなって、寝坊しちゃった」 鞄の中から教科書ノートを出し、机の中に入れて、鞄を机の横にかける。 なんとか、間に合った。 窓際の真ん中の席を見ると、相馬くんが今日も文庫本を読んでる。 本にカバーがついてるから、どんな本を読んでるかわからない。 でも、近くで男子達が集まって、ガヤガヤ話してる中で、話を聞きつつも読み進めるのは凄い。 相馬くんが本のページをめくる仕草にドキッとしてしまうわたし。 相馬くんの事が好きすぎて、周りに気づかれそうで怖い。 人気者の相馬くんだから、女子の大半が好きだと思う。 でも、真面目で近寄り難い雰囲気を醸し出してるから誰も寄せ付けない。 そんな硬派な相馬くん。 素敵すぎる。
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加