案外それも、悪くない

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「ほら、早く行こうよ」 「やだ」 「何で」 「なんでも」 もう何回このやり取りを繰り返しただろう。 いい加減疲れた。 しかし放っておくわけにもいかない。 何故なら今日は 「入学式、始まっちゃうよ」 高校の入学式であり、高校生としての登校初日だからである。 「いい このまま帰る」 幼馴染みは膝を抱え、しっかりとスカートを押さえながら体を丸めてしまっているせいで、顔が見えなかった。 そういえば、部屋から出てくるまで30分はかかったっけ。 部屋から出てきても、ずっと俯いたままだった。
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