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その光は、いつでもこの女の子を写していた。
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家はすぐそこで、二人がしばらく歩くと、ぼんやりと街灯の明かりが見えてきた。女の子は楽しそうに飛び跳ねて、遂には男の手首を両手で持って引きずるように連れて行った。二人が走ると、距離は歩くよりももっと早く縮まる。家の明かりがもうすぐそこだった。
「そーだっ、おじちゃんっ、わたしんち、くる?」
女の子は息を弾ませ、長い髪を振り乱した。
家がない男は、一瞬迷って口を開け、それから閉じて、首を振った。
「ううん。遠慮するよ。きみにはおかあさんがいるでしょう?」
「うん……そうだけど…」
女の子のニット帽が飛んでいきそうになったので、男はそれを大きな手でとって女の子の小さな小さな頭にぽんと乗せた。
「ほら、もうおうちだよ。あったかくして、ご飯食べて、寝るんだよ」
「…おじちゃんは?」
「…きみのともだちだよ」
男は、振り返った女の子の瞳に、にこっ。ほほえんだ。
女の子はつられて、魔法にかかったかのように、笑った。
森の中に一軒佇む、小さなログハウス。
暖炉の炎のような暖かいオレンジ色のガーデンライトが、花壇のそばで光っていた。
女の子は吸い込まれていくように、扉を開いて暖かいおうちの中に入って行った。
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