第六話 修羅場

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 真辺が居ると、真辺が先に会計を済ませてしまうので、減るどころか貯まる一方だったので、山本ら古株が真辺に口座を作ってもらって、そこに積み立てるようになった。  それを、”機密費”と呼んで、部署で必要になって、会社に請求出来そうな物の時に、機密費から先出しするようにしている。  本来なら自腹を切って、後清算になるのだが、真辺がそれを嫌っていたので、部署内の公然の秘密になっている。部署以外でも、真辺達と関わりが有った人間たちは知っている者も多い。部署の人間たちは、全部真辺の物だと思っている。しかし、真辺は部署で貯めた物と思っている。  火が付いている現場では、魔の時間帯がある。  11時と15時だ、後すこし危険度が下がるが、19時だ。  朝から何か発生したり、朝からの会議で問題が発覚したりして、連絡が来るのが11時頃だ。  そして、13時頃から会議が行われる事が多い。この会議が終わるのが15時位だ。15時には、朝から行った会議の裏取りが終わった情報も出てくる。  19時は、客が帰り始める時間帯で、客が帰るちょっと前に連絡してくる場合が多いのだ。  そして、今日も15時をすこし回った時に、大きな爆弾が投下された。  一本の電話から始まった。 『ナベさん。至急、集まりたいのですが、可能ですか?』  石川からだ。 『どうした・・・』     
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