第六話 修羅場

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 真辺に向かって、営業の森が、真辺の行為で気がついたのだろう。 「あっ真辺部長。ありがとうございます」  森は真辺に一礼した。 「何のことだ。俺は、甘いものが食べたくなって、俺のわがままで、営業に買い物に走ってもらった。文句を言われるのなら解るが、礼を言われるような事ではないぞ」 「そうですね。そういう事にしておきます」 「石川。早く説明しろ。30分位で戻ってくるぞ。今の時間はエメラルドの粒よりも貴重だぞ」 「はいはい。見つけた物はこれです。裏取りも終わっています。そして、問題はこの書類です。こっちは、まだ裏取りしていません。ナベさんに確認してからと思っていました」  一つ目の書類に目を落とす。  (斜め上を行ってくれる)  その書類は、某ハードウェアメーカの書類で『サーバ及びネットワーク機器。貸出契約書』となっていた。  先週末に、山本が移動したサーバ群は、ハードウェアメーカから借りている物だ。期限が、8月末となっている。丁寧に、返却の催促の通知も2通届いている。  最終警告書が一通届いていた。 「石川。森。どういう事だ?」     
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