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「山本。ハードディスクをまるまるコピーする奴。この前買ったよな?持ってきている?」
「あぁ事務所だ」
「誰かに持ってこさせろ。その時に、今のサーバのHDDの用量と同じだけの”弾”を買ってこさせろ」
「あっそうか、解った。それは手配しておく」
「あぁ後、最悪の事を考えると、サーバOSのライセンスもほしいけど・・・。これは、ネットで買えたよな?」
「あぁ大丈夫だ」
(これで、サーバの構成が同じ物を用意すれば、一日程度で復元できる環境はできる。OSとデータ領域を分けておいて正解だったな)
「よし、皆。まずは、今週末までにはシステムを本稼働に耐えられるレベルに仕上げるぞ。今、ここで話した内容は、それまで忘れていてくれ」
『はい!』
皆の顔に生気が戻る。
心配事はあるが、信頼できる上司である真辺が指標を示してくれる。それだけでも、彼らは進むことができる。負け戦を何度もひっくり返してきた者たちだ。進む方向さえ見えれば、前を向けるのだ。
「あっ主任と森は残ってくれ。すこし相談したい事がある。他の者は作業に戻ってくれ」
「「はい!」」
部下たちが営業を連れて仕事に戻る。
「森。山本さんは?」
山本貴子は真辺に付いている事になっていた。森に処遇を決めさせる事にしたのだが、森が答える前に本人から返事が来た。
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