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真辺は、自分は『プログラマ』だと言い張っていて、SEでも、ITプロフェッショナルでもないと言い張る。
会社が名刺の肩書に『SE』と書いたら、その名刺は一枚も使うことなく机の引き出しに放り込んだ。
扱える言語は社内で一番多い。マイナーな言語も使いこなす技量や知識もある。扱える端末の数もずば抜けている。客先での技術的な話から政治的な話まで行える。名指しで仕事が来る事もある。会社としては、そんな彼の肩書が『プログラマ』では、現場での発言や立場が軽く見られる事を危惧している。実際に何度も肩書の変更をおこなっている。
しかし、彼は彼なりのポリシーがあり、プログラマの肩書を変えるつもりは無いようだ。会社側としては彼が『プログラマ』では、単価が数十万円も違ってきてしまう。会社と真辺の間でとられた、妥協点は、『肩書なし』だ。現在では、それが彼の肩書になっている。肩書なしは、真辺にも会社にも都合がいい。会社は、真辺が居ない所で、SEやITプロフェッショナルなど適当な役職だと言えるからだ。
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