始章

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「らっしゃいらっしゃい!今日はポーションがお買い得の100G!今なら3個で250Gだー!」 「鉄ーー、鉄装備いかがっすかー、鉄の剣 鉄の槍 鉄の斧 鎧もなんでも揃ってまっすー」 「お弁当はいかがー!おばちゃんの自慢のお弁当だよ!ボリューム満点!どれも均一300Gだよー!」 呼び掛けの声が交差する街並み 建物が左右に並び、その一階がお店なっている この街並みを歩くのはもちろん冒険者が大半を占める あたりを見渡しながら歩き、気になるお店には歩みより 仕事中の者も居れば、子供達が走っていたり 単純に通路としてまっすぐ進む人も この赤髪の軽装な男も単純に通路として歩く人である 両手をポケットに入れ、何かめんどくさそうに歩く その男が向かったのは、街並みを歩くと大きく目立つ建物 街並みが少し途切れ、真ん中に大きく建つ建物は10段程の階段を登ってから入り口のある高い建物だった。 大きな入り口を入ると横には紳士な服を着た少し老いた男性が 「いらっしゃいませ、これはこれはヨシュア殿、今日はやけにお早めで」 「どーも」 そのまま真っ直ぐ進む 多くの冒険者と分かる者達が賑わう大きなホール その奥には繋がった長いカウンターに一息ずつ並ぶ受付嬢達が並ぶ その受付嬢を軽く見渡し、一人の受付嬢に歩み寄った所 途中でヨシュアに気付いた様で先に声をかけてきた 「あらヨシュアさん、珍しいですね呼んでも無いのに来るなんて」 「おぃミスト、その言い方はねぇだろ」 受付嬢は眼鏡をかけた黒髪の女性 いかにも真面目そうな雰囲気だが、ヨシュアにはちょっと親身的な会話と言葉を投げ掛ける 「だっていっつも来ては「んだよ簡単な依頼ばっかじゃねぇか」って文句言うじゃないですか」 「…別に顔と声まで真似る必要ねぇだろ」 「そうやって文句ばっかり言うから良い依頼があったらカモメ便で連絡するって言ったじゃないですか」 「それ言ったきりもう3日だぞミスト、流石に身体が鈍るっての」 「それだけヨシュアさんが強いって事です、中々見合う依頼なんて無いですよー」 言いながら依頼用紙をめくり探す 「こうみえてヨシュアさんの為に朝出勤していち早く依頼用紙に目を通してるんですからね」 「へぇーへぇー恩にきりますよミスト姉さん」
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